革小物作りが上達しない人が、疎かにしてしまう3つの基本

革の勉強をして革職人として独立したい
革の勉強を独学でしているけれど、一度きちんと教えてもらいたい
革小物がどうやって作られているか、体験してみたい
革小物が好きで、自分のオリジナル革小物を作ってみたい
大切な人の記念日に、手作りの革小物をプレゼントしてみたい

AJINA 革教室仕事旅行ストリートアカデミーなどを通じて、今まで100人以上の方に革小物の指導をしてきました。
「革教室」と言っても、来ていただく方の動機はそれぞれですが、うまくいく人・行かない人/続く人・続かない人 というのは、教える側としてみていて、傾向があります。

革小物作りがうまくいかない人、伸び悩んでしまう人は、次に上げる3つの基本を疎かにしてしまっているような気がします。

  「革小物作りが上達しない人が、疎かにしてしまう3つの基本」

1mm単位の作業をサボらない

切り出し、縫いなど、革小物の世界はミリ単位、もしかしたらそれ以下の世界です。

「ちょっとズレているけど、大丈夫だよな・・・」
「少し斜めになっちゃったけど、次の工程で調整すれば・・・」

ほんの少しのズレが、最終的に仕上がったときに何らかのズレを生みます。
ひとつひとつの工程を大切に。

器用である、ということと、丁寧であるということは違います。
たとえ手先が不器用な人でも、ひとつひとつの作業を時間をかけてきちんと丁寧に作業をしていけば、最後は必ずきちんと仕上がります。

手先が器用だから、経験があるからと言って、途中の過程の作業を怠ってしまったり、このくらいならいいや、と妥協してしまうと、最後に絶対に仕上がるが甘くなります。

これは自分自身もいつも言い聞かせていることです。

 

型紙をしっかりと描くこと・使うこと

型紙は設計図です。最初のうちは、型紙通りにきちんと切り、縫いをすること。
自分で型紙から起こすようになってからも、型紙としてきちんと完成されたものを仕上げること。

型紙をたくさん持っていることは、革職人にとっての財産です。
同じ商品をもう一度作るときや、ちょっとした改善をするときにも、型紙からきちんと修正点を残しておくことで、飛躍的に革のスキルは向上します。

出来上がったものに対して、もう少し工夫したい、などというときに、型紙に戻って、修正していくことで、よりよい商品が出来上がっていきます。

 

革に触れている時間は短く

革に触れている時間が長ければ長いほど、手の油が革にうつり、革が汚れていきます。
自分の革小物であれば、革に油が入って、エイジングしていくのはいいことですが、作り手の手の油が革に入ってしまうのはよくありません。

革に触れている時間を最小限にするために、常に頭の中で型紙から展開図を思い描いて、イメージしながら作業を進めなければなりません。
革に触りながら、ああでもない、こうでもないという試行錯誤は極力しないように、革に触れている時間は、最短になるように心がけることが大切です。

革教室で伝えたいのは、小手先の技術ではなく、モノ作りのほんの小さな喜び

ここであげた3つのことは、ごくごく当たり前の話です。
言ってしまえばひとつひとつの作業をきちんと丁寧にするということ。

「そんなの当たり前のことでしょ?」
そう思ったかもしれません。

でも、モノづくりの基礎はここからはじまると思っています。

そして、もうひとつ、一番大切なものを付け加えるならば、常にお客さん、使い手を意識しながら、「商品」を作るということです。
そのことが、モノ作りの喜びになると思います。

「商品」を作っているという意識が、技術向上のスピードを変える

別に自分だけの楽しみで革小物を作りたいだけだし、売りたいわけでもないから、「商品」なんて関係ない。作りたいものを、作りたいようにできればいい!
そう思っている方もいるかもしれません。

 

けれど、もし仮に自分が使うものであったとしても、「商品」を作っている意識があるのとないのでは、完成品の品質はもちろん、技術の習得スピードにも圧倒的な違いがでます。

それが、このAJINA革教室で一番お教えしたいことです。

自己満足と顧客視点のあいだにある果てしなく高い壁

自分で趣味で革小物を作るのであれば、作り方も、やり方もすべて自由です。けれどそうやって作ったものは「自己満足」であって、商品ではありません。

選んでいただける、使っていただけるお客さんを想像しながら作り上げていくことが、商品としての品質をあげていくと思うのです。

かんたんなことばでまとめてしまえば、「顧客視点」が大切だということです。
それを気づかされたのは、自分の修業時代の頃の話です。

独学で学んでいた革の知識なんて通用しない!?

自分が20代の中旬の頃、サラリーマンとしてオフィスで働いていました。

けれど、心のどこかで、「なんか違うな?もっと違うことしたいな」と思いながら、革や彫金の勉強を独学でしていました。自分ひとりでちょっとした小物は作って、自分で使ってみたり、知り合いにあげたり・・・

 

そして、一念発起して、会社を辞めて、祐天寺のある工房で働きながら、勉強させてもらうことになりました。

 

素人ながらに、器用なほうだし、自分でもある程度できる、と思っていたわずかな自信はあっという間に崩れ落ちました。

お店でやっていることと、自分が独学でやってきたことは全く違うものでした。

もちろん、革や工具の取り扱い方などは、少しはわかっていたつもりです。
けれど、お店で並んでいるほかの職人さんが作った商品と、自分が独自で作っていたものには、何かが違う。

圧倒的に自分に欠けている”何か”があったのです。

お客さんと日々向き合いながら、気がついたこと

答えがわからないし、誰も教えてくれない。
ならば、自分で気が付くしかない。

 

そのとき自分が一番大切にしていたのは、お客さんと話をするということでした。
まだ修行中とはいえ、お店でも少しずつ仕事を任されるようになり、お客さんと直接やり取りすることも増えました。

 

お店にいらっしゃるお客さんは、店に並べてある既製品をそのままお買い上げいただく、ということは少なくて、「この財布のこの部分をこう直したい」という具体的なものから、「彼女に似合うネックレスが欲しい」というざっくりとしたものまで、さまざまなご要望をいただきます。

 

駆け出しのころは、とにかく夢中に、お客さんの話をよく聞いて、どういうアイテムが欲しいのか、誰にあげようとしているのか、を伺いながら、未熟ながらも自分の技術をぶつけて、いろいろと商品を作らせてもらいました。

 

そうしていくうちに少しずつ、自分の中で「作り方」に変化がおき始めました。

正解があって、そこに向かって進むのではなく、正解を見つけ出すことのほうがはるかに重要

革をどう扱えばムダなく作れるかー
どのやり方が、効率的なやり方なのかー

そんなことばかりを考えていました。

でも、お客さんが欲しいのは、自分が愛着を持てて、使いやすい革財布であって、それ以上でもそれ以下でもありません。

作り手の”余計な”こだわりなんて、きっと不要なんだと思います。

 

アクセサリー作りというものは、正解があって、そこに向かって進むというより、お客さんと一緒に正解を見つけていくことのほうがはるかに重要だということに気がついたのです。

 

その発見は自分の中でも本当に大きかったと思いますし、その思いは独立してから、今でも心の真ん中におきながら仕事をしているつもりです。

自分の作りたいものを、好きなように作るのが、自分の求める職人像ではない

「職人」と聞くと、寡黙でひたすら工房の片隅で、作品と向き合っているー
手に職をつけるということは、誰からも何の指図もうけずに、好き勝手をすることでお金がもらえるということではありません。

 

いや、もしかしたら本当の職人はそうなのかもしれません。
だとしても、少なくともそれは自分が目指している職人像ではありませんし、世の中に求められているものではないと思います。

 

お客さんのイメージしているもの、もしかしたらイメージすらできていないものを、自らの技術と経験をもとに具現化し、商品にまで落とし込むことができるのが職人なのではないかと思っています。

 

自分の商品が、「モノ」として残って、それをお客様が大切に使っていただけるならば、こんなにうれしいことはありません。
この喜びを少しでもこの教室を通じて実感していただければと心の底から思っています。

 

革教室をはじめるにあたって、自分が学んできたことを伝えたい、と思ってまとめてみました。

昔の自分のように、革の勉強をして革職人として独立したい、という人はもちろん。
革小物が好きで、自分で一度作ってみたい、と思ってみた方。
大切な人の記念日に、手作りの革小物をプレゼントしてみたい、という方などなど、

革教室への相談は随時受け付けております。
こんなことを学びたい、こんなものを作りたい、などのご要望があれば、お気軽にお問い合わせください。

モノを作る楽しさを一緒に実感しましょう!

シルバー&革アクセサリー AJINA 代表 川上 健

ECショップはこちらから ⇒ シルバー&革アクセサリーAJINA

革教室概要

日程:月2回 隔週水曜日

場所:安藤坂コイン (Andozaka COIN) 
(〒112-0003 東京都文京区春日2丁目26−11 大元社ビル1F)
費用:1回 7,000円/月14,000円 (革代は別途)

※お問合せご質問は、090-5497-6994 (川上まで)

申込・詳細はAJINA 革教室公式サイトまで

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